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そういえば、
このシュークリームを買いに行ったときに、
ちょっとした事件があった。
帰り道、道の真ん中に生後間もない子猫がいた。
弱々しく鳴くその命は、
今にも尽きようとしていた。
誰かが手を差し伸べれば、まだ助かるかもしれない。
しかし、俺はそれを黙認した。
あの場所から移したところで、
絶対に助かるわけでもないし、
ちっぽけな命だ。
こんなこと、
毎回気にしていたら疲れてしまう。
そう思った俺は、
早くその場を去ろうとした。
一直線上の道の真ん中にいる子猫から、
だんだんと離れて行く。
10メートル、20メートル。
遠くになるにつれ、
弱々しかった鳴き声はさらに小さいものになっていった。
そして30メートル離れたところで、
一直線上の道に大型トラックが顔を出した。
そのトラックは子猫めがけて突進していく。
やばい!
あわてて子猫の方へ向き直ると、
道の端に一人の少女が立っていた。
自分が通っていた中学校の制服をまとった女の子。
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