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「こいつらが本当にそんな強いのかよ」
ドゴンが、負けじと言い返す。
「本物だったら、ドゴンより百倍強いよー!」
レッカがニコニコしながら答えた。
「お前……まぁいい。キング、本物なんですか!?」
ドゴンは一瞬レッカを殴りそうになったが、寸前でやめキングを問いただす。
「そうだな、念のためお前達の二つ名を聞いても良いか?」
二つ名というのは、本名とは別に、ギルドに入りSランク以上になると貰える、もう一つの名前のようなものである。
「はい。私は 銀翼(ギンヨク)の天使 と申します」
「俺は、赤翼(セキヨク)の天使だ」
ノエルは、またアリスに殴られた。
「天使?」
チェキが頭に?を浮かべている。
「天使の涙では、二つ名にすべて天使って名がついてるんだ!」
「へぇ」
レッカの興奮した口調とは裏腹に、チェキは最初のころのクールな雰囲気を取り戻しつつあった。
「だがアリス、銀翼の天使は髪も瞳も銀色だと聞く。戦場で優雅になびく銀の髪が、あたかも美しい銀色の翼を羽ばたかせているかのように見える所からついた名なのだろう?だが、お前は両方とも黒……何故だ?」
キングがそう言い終わったとたん、ノエルが大爆笑し始めた。「アッアリスが美しい天使!?やばい、傑作!!あー腹いてぇ」
お腹を抱えて笑っている。
「戦場で、紅蓮の悪魔って言われるよりマシよ」
「あっ、あれは俺の呼び名として認めてねぇ!」
カンに触ったのか、今度はノエルが怒りだした。
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