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空は真っ赤な夕焼け。
いつもの赤いベンチ、いつもの老人、そしていつもの俺。
タバコをふかしながら下らない世間話。
当然盛り上がる事もない。
老人はタバコを吸い終え「また明日な!」と小さな背中で手を振る。
その小さな背中はとっても寂しく悲しく見えた。
その晩、老人は息をひきとったそうだ。
そして、この俺はといえば何もなかった様にタバコをふかし赤い空へ煙りを吐いた。
一羽のカラスが俺の頭の上を旋回し、真っ赤な夕焼け空に向かって消えてった。
そして、また俺は何もなかった様にタバコに火をつける。
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