学校

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学校

「おはよう」 教室に入るともうクラスメイトが数人来ていた 引っ込み思案なシンヤには友達はいなかったが、対して明るく開けた性格のマヤは友達が沢山いた つまりこの「おはよう」はマヤに対しての挨拶なのだが シンヤは自分に対しての言葉とは思わず、目を会わせないように自分の席に向かった 向こうで首を傾げてるクラスメイトを見てマヤはシンヤを引っ張った 「ちょっとこっちにきなさい!」 シンヤは何が起こったのかもわからずただ教室から引きずり出されていった。 バン! 屋上の扉が勢いよく閉まった音にシンヤは少しビクッと体を縮こまらせた 目の前には深い溜め息をつく自分の姿、それは鏡でも見たことがないようなつり目で捲し立ててきた 「アンタは今私なのよ?なんで私が友達無視して暗ぁく席に着いたりしてんのよ」 「あ、ごめん」 シンヤは勢いに負けて斜め下の屋上のタイルを見てる 「大体ね!アンタは暗いのよ!それに社交性も無いわ」 シンヤは返す言葉もない 下手な印象を与えて勘繰られる可能性もあったのだ 「確かに、人が入れ替わるなんて非現実的な事、言われても信じ難いけど、万が一もあるのよ?ちゃんとしてよね!」 「ごめんなさい」 シンヤは謝るしかなかった その点姉はちゃんとしている 昼間こそ賑わう屋上だが、朝からは人はまずいない。居ないがちゃんと確かめていた。抜け目がない 「アンタはそのナヨナヨ禁止!わかった?」 「うん」 「でもさっきの暗い私を見てる子も居るから、具合悪い事にしておいて、それならあまり喋らなくてもおかしくないから一石二鳥でしょ?」 マヤは名案だとばかりに鼻をならした 「お腹が痛いとか?」 「そうね…何でもいいから勝手にきめて」 詰めが甘いのは悪い癖だなぁとシンヤは思ったが言わなかった キンコンカンコン HR開始10分前のチャイムがなった 二人は変なマヤの言い訳を考えながら教室に戻ったが、みんなそれどころじゃなかった 「あ、テスト」 「勉強忘れてた」 二人は顔を見合わせて急いで席に着いた。
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