試合

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  「ふっ、たわいもない奴だ。俺様の魔法をあれだけ受けて無事でいるわけがない。」 総隊長は殺すなと言ったが、知った事じゃない。事故だと言えば良いんだからな。俺様に反抗するからこうなるんだよ。 クローシスは自分を一々イライラさせる男がいるであろう炎で包まれている場所を見ながらニヒルな笑みを浮かべるが、それは直ぐに驚きの表情に変わった。 「ッ!?」 煙や砂埃が晴れると、殺すつもりで魔法を放ち、その魔法が当たった筈の男が平然と立っていたのだ。 「んな!!何ッ!?何故生きている!!俺様の魔法は確かに当たった筈だ!」 「あれしきの威力じゃ俺は倒せないぞ…。服はちょっと燃えてしまったけどな。」 「な…なに!?」 今の魔法は一般兵なら重傷もしくは死ぬ程の威力だぞ?それに…龍炎風なら一発である程度の魔物を仕留める事が出来る魔法。 「貴様…何をした。」 「何もしていない。お前の魔法では俺に傷を負わせる事が出来ない…ただそれだけの話しだ。ここからは魔力ではなく霊圧の戦いだ。」 俺の魔法では傷を負わせる事が出来ない?この王族騎士団総副隊長のクローシス様の魔法が?【れいあつ】とは何だ?何なんだあいつは!
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