プロローグ

2/2
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
年に一度しかないこの日。 俺はこの日が好きだった。 大好きな彼女に会えたから。 学校も違い、家も離れていた。 でも、この日だけは会う事が出来た。 彼女と出会ったのは、幼稚園の時。 友達に誘われて行ったハロウィンパーティー。 そこに彼女も来ていた。 俺は、彼女に一目惚れした。 それから、俺は毎年パーティーに参加した。 でも、その頃の俺は女の子に声をかけることも出来ない恥ずかしがりやで彼女の名前すら知らない。 みーちゃんと呼ばれていることしかわからなかった。 ただ、少しでも気づいてもらおうと毎年、吸血鬼の仮装して行った。 何度も声をかけようとしたけど出来なかった。 そして、小学5年生の時、彼女はパーティーに来なかった。 どうして来なかったのかはわからない。 でも、その年からパーティーに来なくなり俺もパーティーに行かなくなった。 会えなくなってもう7年。 彼女は、何をしているんだろう。 彼女は、どこにいるんだろう。 高校生になって女を作っても、頭の片隅にはいつも彼女がいる。 優しく微笑んでいる彼女が。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!