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眩しい光が包む-
どこか懐かしい声が聞こえる。
タスケテ-
この世界をタスケテ-
「アリス!」
どさり!
アリスが一番最初に目に付いたのが緑の草とユイトのドアップ。
「うわぁあ!ユイト!?」
アリスはびっくりしてて、飛び退いた。
「邪魔…重い…」
ユイトは呻いた。アリスは慌てて謝った。
「ごめん!」
「いいって…」
ユイトは立ち上がった。アリスも立ち上がろうとするが、足を痛めたらしくて立てない。
「「アリス、ユイト!」」
ユウトとレイが走ってやって来た。
「大丈夫?」
「オレは…な…アリスが怪我をした。お前らは?」
ユイトがアリスを指差しながら言った。
「オレ達は大丈夫。アリス。動ける?」
レイがアリスと視点を合わせるように跪いて言った。
「ん…っ!」
アリスは立ち上がろうとすると激痛で立てなかった。
「足…見せて。」
レイがそう言うとアリスは少し戸惑いながらもジーンズの裾をあげて、靴下を脱いだ。
「……足…捻っただけだと思うから…」
アリスが言うと、レイは首を横に振った。
「確かにアリスの言った通り、足、捻っているよ。でもね、きちんとした手当てをしなきゃ悪化するし、歩くなんてもっとダメ…」
レイが厳しい口調でそう言うと、ユイトはアリスをおんぶした。
「とにかく、歩かなきゃどこかわかんないからな。お前は大人しくしてろよ。」
ユイトはそれだけを言うと、ぷいと前を向いた。
そのユイトのさりげない優しさのせいでアリスはユイトのことは嫌いになれないのだ。
続く
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