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有里菜の完全にこちらが有利な条件にも納得し、二日後に撮影は再開された。
ウェディングドレス…前回のとは全く違い、マーメイドラインのピッタリしたドレスに身を包んだ悠里は、教会の中…ではなく、外にある鐘の下での撮影になった。
鳩を飛ばしたり、シャボン玉が使われたり…その度に悠里が笑顔で反応し、シャッターが切られる。
雄平は、カメラから悠里の邪魔にならない位置でさりげなく横に立った。
が、淡いグレーのフロックコートタイプのスーツは、雄平が着ているだけで十分に存在感を増していた。
悠「雄平さん、似合う。」
雄「そりゃどうも。
女性はさ、結婚前にウェディング着ると婚期逃すって言うけど…男性も有りかな?」
悠「ま、マジ?」
悠里の顔から笑みが消える。
雄「ハハハ…、悠里、マジに受け止め過ぎ。
いいよ、婚期逃したら、俺が救ってやるから。」
悠「うん♪」
再び笑顔を取り戻し、撮影再開。
雄『悠里…意味分かってて返事したか?
なんか…軽い受け止め方だったような…。』
笑顔の悠里を見て、何とも言えない表情の雄平がカメラに収まった。
拓「はい、場所移動しまーす。」
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