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和装のときに、有里菜が遅れて登場し、的確に指示を出し始めた。
有「悠里…いい顔してるわ。
まるでホントに雄平と結婚するみたい…。」
悠
メモに書いて見せる。
有里菜は、悠里がいいと言いたかったが、まだ十代の悠里には早いだろうと言葉を飲み込んだ。
悠里の着付けのそばで、有里菜があれこれと指示を出す。
スタッフが何故か針と糸を持っていて…不思議に思いながら撮影会場に向かった。
撮影は、神殿…かと思いきや、式場のロビーだった。
広いロビーには、真ん中に階段と広めの台があり、人前式などが行われるらしく、セットが変えられるように出来ていた。
悠里たちの和装に合わせて、和のイメージで作られている。
雄「姉貴…敢えて聞くけど、まさかのこれって…?」
有「あは!?バレた?
実は、詩織達のなの。
仮縫いだったのを持って来ちゃった。
だって、このイメージとピッタリなんだもん!!」
雄「い、いいの?
宣伝に使って…。」
有「だって、どうせプレゼントなんだし…他の人は着ないから。
完成品を二人が着れば良いわよ♪」
確かに…モダンな和装である。
悠里のは、白無垢をイメージしているが、着物は総レースで、何故か十二単に見えなくもない。
カツラではなく、夜会盛りのアレンジ版のようなスタイル。
雄平は、袴ではあるが、濃いグレーに光沢があり、青くも見える。
羽織りの結びに同じレースが使われている。
悠「先生に…内緒?」
雄「内緒だろうね。
本人の前に着て写真まで…なんて言えない。
バレてもシラを切り通すしかないね…。」
拓「はいはい、撮るからね。
二人とも、和だけどここは寄り添って…。
あ、和傘なんかいこう!!」
複雑な心境の悠里と雄平の近くで、デザインに満足げな有里菜がいた…。
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