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太陽が俺とシノをのぞき込む。
窓の外はゆっくり時が過ぎていく。
「まだ眠い」
そう俺の隣で欠伸をしながら目を擦っている。
もうここ二週間は家にも帰らずマンションにいる。
「海にでも行こうか」
俺はシノに声を掛けた。
「…何で…今日?」
まだ眠いのか目を擦り、ゆっくりとした口調で話している。
「夏に海に行きたいって言ってたろ。丁度休みだし」
「もう夏じゃないけど…?」
もっともな答えだ。とても夏とは言えない。
「まあ…行っても良いけど」
クスッと笑うシノの笑顔は毎日見ているが、未だに慣れない。
自分の顔が赤くなっていくのと、熱くなっていくのがわかる。
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