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「…昇」 身体が震えている。 涙が溢れていることが容易に想像できる。 抱きしめる腕にさらに力を加える。 何に怯えているのかは解らない。 俺に何ができるのかも解らない。 ただ、少しでも「俺は傍にいるから」と、言葉では恥ずかしくて言えないが伝えたかった。 友達なのか恋人なのかも解らない、俺とシノの関係。 でも、今の俺は言える。 「シノを愛してる」と。 でも、伝えたところで、アノ質問の答えが未だに解らない。 俺はシノが落ち着くまでの間、ずっと優しく強く抱きしめ続けた。
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