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「シノ、俺っ…」 俺の唇に触れる、シノの細く冷たい綺麗な指。 「…それ以上…言わないで…」 君の瞳には俺がにじんで映っている。 この時、俺は悟った。 シノは深入りして、何かを失うことを怖れて怯えているんだ。 何も失いたくないから、深入りしないんだ。と。 俺にはどうしようもない、シノの心の闇を知った。 外では、冷たい雨が降りだした。 君の言葉、街のざわめき、君の笑顔が季節終わりの冷たい雨の中、色褪せていくような気がした。 冬に近づき始めた、秋の終わり。
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