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車両の隅で声がした。
思わず顔を向けた場所に、見慣れない『キツネ面』を被った男が立っていた。
燕尾服にキツネ面とはかなりのハロウィン好きだろうか。
『おやぁ?ずいぶん、すっとんきょうな顔をしておいでだ。やだなぁ、僕ですよ。ほら、もうお二人ともお忘れですか?』
ナルシストのような立ち振る舞いにさらにキツネ面は言葉を合わせる。
『案内人の【バジェット】ですよ。ほら、一緒に冒険しましたでしょ』
私もバンダナの男も不思議な顔になっていた。
『やだなぁ。僕達三人はRPGで言ったらメインパーティですよ。それをもうこんな簡単に忘れられるだなんて、あーもう僕ちゃん悲しいっ』
「わからないものはわかりません。ここは星空列車です。用のない方の御乗車は...」
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