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「紅くんっ」
…蒼乃さんの声、いいよなあ。いつ聞いてもなんか澄んでて、綺麗。
「…紅くん?」
「あ、ごめんごめん
…どうしたの?」
不思議そうな顔で見つめてくる潤んだ瞳に見つめられると、なんか苦しい…。
「紅くん数学得意だよな?教えて!」
「え、俺習ってないよ?」
蒼乃さんは高2。俺は高1。わかるはずがないじゃないか。
「大丈夫!紅くんは元がいいから!俺、教科書とか参考書持ってるし!だから一緒に考えて?」
なら自分で考えればいいのに
って思ったけど。
「………いいよ」
一緒にいたいな、そう思ったから。
潤んだ瞳に夢中になっていたかったから。
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