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小さな頃、決めた名前。
七瀬 鏈(ナナセ レン)
七瀬 恋(ナナセ レン)
漢字だけが違う私達は呼び名を変えた。
「俺はレン」
「私はコイ」
これが私達の呼び名。
頭の中で微かに響いた過去の会話。
瞼を持ち上げ、青い空を瞳に捉えることで夢なのだと実感した。
「ッ……!」
殴られたように痛い頭。
「大丈夫か…?夏だから気をつけろ……」
空を見上げる瞳を少し下げれば鏈がいた。
「鏈…か…。暑くて死にそーー…」
「恋、長州まで後、少しだ…」
夏の猛暑に重くなった足は持ち上がることはない。
「鏈くー…ん。おぶってくれたまえ」
にっこり笑っておねだりする恋。
「駄目。恋、まだ体力あるだろう」
図星をつかれ、口を尖らせながら立ち上がる。
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