一話 レン

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 ̄ 「確かに鏈は持久力無いもんね」 「恋は命中率が弱い。」 負けじと鏈も言い返す。 のそのそ歩く二人の間にはいつの間にか、火花が散っていた。 「鏈は背後まで視野広くないじゃん。」 「予測が出来ないくせに」 「足音探れるッ?」 「俺の戦い方はそこまで狂っちゃいない。」 「……」 「……」 睨み合う二人。 しばらくの沈黙を二人同時に破った。 「ぷっ!!」「くっ…!」 「「はっはははは!!」」 竹林でいきなり笑いだす、かなり奇妙な光景。 「なんか、お互い、抜けてる所ばっかだね」 「埋め合っている……」 短い間泊まった足をまた進める。 「確かに。やっぱ鏈が居なくなったら私、予測できなくて死んじゃうな」 「恋が居なくなったら俺の背中はがら空きだ。」 双子か、双子ではないのか。 似ているけど似ていない。 家族は今のところ、二人だけ。 _
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