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ここは何処だ?何かすごい広い和風建築物があるんだけど……。
もしかしてここって人の家なのか?いや、でもこんな所に人がいるんだったら声がしてもいいt……。
「そこで何をしている………」
急に声をかけられて軽く驚いたが少し安堵を覚えて振り返る。
しかし、そこには安堵を覚えるなどというものは感じられなかった。むしろ心臓が凍りつく程の絶望感を感じた気がする。
何故ならそこには変な浮遊したものを連れた少女がいて、しかも少女には不釣り合いな長い刀を持っていた。
(まさかとは思うが念のために……!)
こちらも腰に差さっていた刀を抜き、構える。
それを見た少女は勢いよく切り掛かってきた。
(うわ!襲って……!?)
上から振り下ろされた攻撃。それをなんとか下からの体勢で持ちこたえることができた。
何とか初撃を防げたが二撃目がすかさず繰り出される。少女の刀は頬を掠り、そこからは一線の紅い血液が流れる。
「待て待て、何故いきなり攻撃してくるんですか!?」
「それは貴方が不審者だと思ったからです」
「俺は怪しい者じゃない、気付いたら此処にいたんだ!」
少女は軽く切り捨てる。
「刀を持っている奴の言うことなんて信じられるか!」確かにごもっともだが、俺は嘘なんてついてない……。だけどこの少女は多分信じてくれないだろう、だったら……。
「だったら力ずくで信じてもらうぞ!」
刀を扱うのは得意だ、何回か全国で優勝した経験もある。だから多分それなりには俺の技は通用するだろう……多分。
俺は刀を構え、切り掛かる。向こうは勿論刃を受け止めて鍔ぜり合いに。
(よし、鍔ぜり合いなら男が圧倒的に有利!)
ここぞとばかりに刀に力をこめるが。
(お、押されてる!?)
これは完全に予想外の出来事だ。よいうより、なんという馬鹿力だよ。
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