第一章「幻想になった少年」

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ここは何処だ?何かすごい広い和風建築物があるんだけど……。 もしかしてここって人の家なのか?いや、でもこんな所に人がいるんだったら声がしてもいいt……。 「そこで何をしている………」 急に声をかけられて軽く驚いたが少し安堵を覚えて振り返る。 しかし、そこには安堵を覚えるなどというものは感じられなかった。むしろ心臓が凍りつく程の絶望感を感じた気がする。 何故ならそこには変な浮遊したものを連れた少女がいて、しかも少女には不釣り合いな長い刀を持っていた。 (まさかとは思うが念のために……!) こちらも腰に差さっていた刀を抜き、構える。 それを見た少女は勢いよく切り掛かってきた。 (うわ!襲って……!?) 上から振り下ろされた攻撃。それをなんとか下からの体勢で持ちこたえることができた。 何とか初撃を防げたが二撃目がすかさず繰り出される。少女の刀は頬を掠り、そこからは一線の紅い血液が流れる。 「待て待て、何故いきなり攻撃してくるんですか!?」 「それは貴方が不審者だと思ったからです」 「俺は怪しい者じゃない、気付いたら此処にいたんだ!」 少女は軽く切り捨てる。 「刀を持っている奴の言うことなんて信じられるか!」確かにごもっともだが、俺は嘘なんてついてない……。だけどこの少女は多分信じてくれないだろう、だったら……。 「だったら力ずくで信じてもらうぞ!」 刀を扱うのは得意だ、何回か全国で優勝した経験もある。だから多分それなりには俺の技は通用するだろう……多分。 俺は刀を構え、切り掛かる。向こうは勿論刃を受け止めて鍔ぜり合いに。 (よし、鍔ぜり合いなら男が圧倒的に有利!) ここぞとばかりに刀に力をこめるが。 (お、押されてる!?) これは完全に予想外の出来事だ。よいうより、なんという馬鹿力だよ。
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