210人が本棚に入れています
本棚に追加
(まずいな……こっちには明らかに地の利がない、だけど相手の少女はこの家の住人だろう。配置とかも覚えているだろうし、仕方ない……あまり使いたくは無かったんだけど)
一度、少女から離れる。そして俺は刀を構えて、少女に向かって目に見えない速度で近づく。
「!?くっ……!」
(う、嘘だろ……!?)
避けられた。いままでこれを避けた人なんて誰一人としていなかった。
(すごい……)
不思議と怒りはこみ上げない。どころか俺は死ぬかもしれないのに笑っていた。
だってそうでしょう?いままでこんな強い奴と戦ったこと何て無かったんだから!
俺は目にも見えない速度―瞬歩というのだが―それを避けられたが相手も結構ギリギリのはずだ。現に少女は先程よりも集中して刀を構えている。
(なら連続で使えば少しは隙ができる)
刀の持ち方を変えて瞬歩を使う。少女はもう見切ったかのように軽く避ける。今だ、もう一回!
「くっ……!?」
流石に二回連続で使われたのは予想外だったか、よし、ここで押してやる!
ここぞとばかりに瞬歩を使い攻撃する。勝てる!相手はもう疲労してきて防ぐことしか出来なくなっている。
「喰らえ!」
瞬歩を応用した影分身を使い相手の周りを囲むように回る。
「仕方ない…人鬼『未来永劫斬』」
少女はカードを出し、宣言した。その後のことを見た俺は血の気が引いていく。それもそのはず少女が何かを宣言した後、少女の体の周りに球体の弾ができて、さらに少女が刀を振ったらそこからもすごい速さで弾が飛び出してくる。
「が…っは…!?」
ヤバイ、もろに喰らった。今ので何本か折れたな……。しかも体がうまく動かなくなってきた。ここは一旦どこかに逃げなければ……。
俺はよろけながらも何とか立ち上がり……逃げた。
最初のコメントを投稿しよう!