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深淵五王達が下らない口論をしている中、ひとりの老人が部屋の中に入ってきた。
「地獄王さま、報告いたします。」
「ん?なんだ?」
「地上で終焉の羅針盤(ヘブンズコンパス)を使ったものが一名。今確保いたしました。処置はどういたしましょうか。」
入ってきた老人は地獄王の従者だった。
「あぁ。殺せ。必ず殺せ。しくじるなよ。これがしきたりだからな。」
それを言う地獄王は、いつもとは違う空気を放っていた。
「了解しました。」
その老人は悲しそうな顔をしながら部屋を出た。
「また出たのかぁ。」
チビがため息をつきながら言った。
「しょうがないでしょ。掟は掟。私達国王もそれに背けば相応の覚悟が必要になる。」
趣味の悪い服に身を包むおばさんもまた落胆しているようだった。
「まぁそれはそれでいいんだけど。君誰だい?場合によっては、さっきの異端者と一緒に逝ってもらうけど。」
「私も先程から気になっておりました。一体どちら様なんですか?」
蠅王と霞怨王が僕に訊ねてきた。
「あら~。」
思わずため息がでてしまった。
「気づいてたかぁ。君たちがこんなに勘がいいんとは意外だね。」
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