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「とりに逃がしましたか・・・。」
フラガラッハがそう言って手に持っていた【三日月の鋭鎌(ムーンサイス)】をしまった。
「なに突っ立ってんだ。このチビが!!」
俺は【道化師の双銃(ツインピエトロ)】を持って口を開けたままにしているサウラスに言った。
「い、今のは【憎悪】の呪いの能力・・・。どうしてそんな奴が此処に。」
サウラスは未だに自分の前でなにが起きたのか整理しきれていないようだ。
無理もないさっきの男はサウラスの言った通り【憎悪】の呪いの能力を使っていた。
「今の男が私達と同じ呪いの能力の持ち主だっていうの?」
その漆黒の翼を背中にしまいながらクライスは言った。
「見ろ。空間が歪められた痕がある。」
そう言って俺はさっきの男がテーブルに置いていった銃弾を指差した。
「うわ。ほんとだ~。ぼやけて見える♪」
この高く幼い声の持ち主はクライスの妹であるクラインだ。
「もう。クラインったらまた盗み聞きしてたの?いい加減にしないよ。」
クライスがクラインの頭を軽く叩いた。
「また盗み聞きかい?全く趣味が悪いチビだな。」
「サウラス。お前にはそんな事言えないぞ。」
俺がそう言うと
「そうよ!あんたの方がチビじゃない!」
とクラインが便乗してきた。
「あぁ?お前ら調子に乗ってんじゃねぇぞ。」
サウラスが銃口をこちらに向けてきた。
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