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「さぁね。まぁ僕も最近見えるようになったんだけどね。」
僕は嘘をつくのは苦手なほうだ。
それにもかかわらず、彼女は信じるんだ。
もちろん彼女の事が気にくわない女子はたくさんいる。
今まで何もされたことがないってわけでもない。それでも彼女はいつも純粋なんだ。
いなさそうでこういう子は結構いるんだ。
「私も見てみたいなぁ。」
正直僕もはじめは彼女のことが嫌いだった。
でもそれは心のどこかで嫉妬していたからだったと思うんだ。
「みれたらいいねぇ。」
僕の家は古びた木で出来た一戸建て。五十年前にたてられた家だそうだ。今それが僕達の前に佇んでいた。
彼女と話せる時間もこれで終わりだ。
「あ。麻邑君の家ここだよ ね?じゃあ私はココで。」
彼女は少し下を向きながら、夕焼けのそれに染まる坂をのぼっていった。
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