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今日の朝は、とても寝覚めが良かった。
外に出てみると意外とまだ寒かった。
それもそのはず、今日は朝早くから運動会の実行委員会の仕事があるのだ。
しかしただ学校にいって仕事をしたとしても、つまらないので、僕は学校への通学路の途中にある小さな公園で朝礼に間に合う程度にさぼることにした。
誰もいないような時間に、ひとりで公園のベンチに座り、ぼーっとしているのがなんだかとても幸せな気がした。
時計を見るがまだ仕事の時間にはなっていないかった。
肌に当たる冷たい風が気持ち良かった。
そうやって空を見ていると、夢現さんの顔が僕の視界に入った。
「おはよーございます。」
彼女は僕のことを不思議そうにじっと見つめていた。
「おはよー。」
僕は、返事をした。
僕の返事を聞いて彼女はにっこりと笑って、隣に座った。
そして彼女は鞄の中から本を取り出し始めた。
「あたしもこの本を読めば精霊さん達が見えるようになるのかなぁ?」
冗談を本気で信じている彼女は、少し可哀想でもあった。
けれども、今更冗談だと言っても彼女を傷つけるだけだ。
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