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ここは真淵。
神々が天と地を巡って争い、その敗者達が集まり、創られたのがこの場所だ。
この真淵には地獄、冥府、葬世、怨界と死聖という五つの国がある。
各々の国に、王がいて、それぞれの王には王称があり、地獄では地獄王、冥府では冥府王、葬世では蠅王、怨界では霞怨王(カエンオウ)、そして死聖では死神王という王称が与えられる。
そしてこの今、五王会談が行われるところであった。
「死神王はまだこねぇのか?あぁ?」
殺風景な部屋にある白くて丸いテーブルに足を乗っけてわめいている黒衣に身を包むのは男は、地獄王だ。
「死神王は半永久欠番でしょ。諦めなよ地獄のボスザルさん。」
どす黒いワインのようなものを飲む白くて神々しい服を着るチビは、蠅王だ。
「てめぇは黙っとけ、このチビが。」
地獄王、荒い男だ。
何たって、地獄王と死神王の決め方は、真淵競技会のNo.1が死神王、No.2が地獄王になれると形式上では決まっているのだ。
それに比べ、他の三国は平和的に決めるので、大体は、おとなしい奴が王となる。
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