妖艶な誘い

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「その男はね、反吐がでる程お人好しなの。だから相手の思いを必ず尊重するわけ。だから来るもの拒まず去るもの追わずなのよ」 つまり、その女共が心の底から俺を好けばその男はそれを認め何もしてこないって訳か。 「周りくどいな。それに苦労する割にはそれと同等の褒賞が俺にくるとは思えないが?」 事実このアホの我が儘なだけだ。 「忘れてるかもしれないけど私は仙人。だから大抵のことは出来るのよ?そうね……、その右耳につけてる宝具と同じぐらいの価値ある物を差し上げるわ」 「お前、どうしてこれが宝具だと………」 いつでも脳天をぶち抜けるよう双蝶を構える。 この距離だ。外すことはないだろ。 「そんな怒らないのっ。宝具は元々は私達仙人の所有物。知ってるに決まっているでしょう?」 「まぁ、一理ある」 再び双蝶をしまい、床に寝そべる。 「あら?寝るの?」 「アホか、別にただこうしたかっただけだ」 正直こいつと話していると疲れる。……はぁ。
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