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「こどもはふたりで育てよう」 その瞬間、声も出せずにあたしはその場に崩れ落ちた。 どくん。 また、あの強い鼓動を感じる。 喜んでいるのか、まだまだ弱いママを奮い立たせているのか、どっちだろう。 思いながら、薄いお腹に手を当てる。 そっと撫でてみると、からだの奥底から言い知れない感情が一気に押し寄せてきた。 『あなたがママのおなかを選んで宿ってくれたことも、生まれてきてくれたことも、奇跡です』 記憶にないはずの母の声が、確かに聴こえた。
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