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しばらくそのやりとりが続きました。
ふと、彼は満足したのか、ペンを動かしていた手を止め、その紙とペンをバッグの中にしまいました。
僕は半分残念に思いながら、彼の行動を見ていました。
すると、彼はバッグの中からサイダーを取り出し、一口、飲みました。
そして、彼女の顔を覗き込んでサイダーを見せました。
彼女は可愛らしい仕草でこくん、と頷くと、サイダーを受け取り、一口、二口と飲みました。
その姿を彼は優しい顔でずっと見ていました。
ふと、彼は悪戯を思いついた少年のような顔になると、彼女のサイダーの底をくいっと軽く持ち上げ、飲みづらくさせました。
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