Act.2 -買物-

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「ふぇー、ひっく」 数分後、散々当たり散らした父は下の階へ戻った。 殴られ蹴られ…動けば痛いだろうに、七海はすぐに俺の元へ来て縄をほどく。 「にぃに、だいじょうぶ?」 自分の事より、他人の事。 叩かれた頬は赤く、蹴られた腕や足は青く腫れているというのに、それでも弱音ひとつ吐かない。 「ありがとう、七海…」 俺がそう言って頭を撫でてやる。 俺にはそうすることしか…。 「あ…そうだ」 「にぃに?」 「明日、父さんもいない。だから、俺と買い物にでも行かないか?」 少しでも、七海に幸せを。 俺の財布には、七海に何でも買ってあげられるだけの金が入っていた。 「…うん!」
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