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「お客様、何かお探しですか?」
案の定、店員が話しかけてきた。
「あ…妹と来てて、今妹が何か必死に探してるみたいなんです」
そう答えると、店員は小さく一礼して引き下がる。
俺も取り残されたままなのはシャクなので七海のもとに向かう。
「七海ーいいのあったか?」
ショーケースを覗き込む七海は、あるネックレスに目が釘付けになっていた。
そのネックレスは、可愛らしいクマが、ほんの僅かな赤い宝石を抱えている形をしていた。
「そちらはルビーになります」
突如現れた店員に紹介されたネックレスを、これまた突如指差す七海。
──ギリギリで買えそうだ。
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