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静かに、七海の顔が離れてゆく。夜なのに電気も点けないために、真っ暗だった中での出来事だった。
いけない事だというのは、七海も解っているはずだ。
だけど、今はこれでいいと思える。もう、これで後戻りは出来なくなった。
「にぃに…?」
真顔で七海を見つめていたのが変に思われてしまったのか、七海は俯いた。
「イヤ、だった…?」
イヤ、じゃない。
素直に、嬉しかった。
「七海…っ」
変態と思われていい。
どう思われてもいい。
今は、今だけでも、七海の気持ちに応えてやりたい。
俺は、七海を強く抱きしめた。
明日から、勝負が始まる。
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