Act.3 -行動-

5/15
前へ
/69ページ
次へ
「にぃにをわるくいわないで!!わたしはおとうさんのとこにはぜったいいかない!!」 初めて聞いた怒鳴り声。 僅かな光で見えた七海の目は、しっかりと父を捉えていた。決意を秘めたような目だった。 「な…なみー…」 それを言われた父は、ひどく落ち込んでいるようだった。 「海斗ー…てめー…」 頭がフラフラするのか、父は壁に手を当てながら下へ戻っていった。 また、静寂な時間に戻る。 「大丈夫だったか、七…海…」 ふと、視界が歪む。 地面が解らなくなり、倒れていく。 「にぃに!にぃに!」 七海の俺を呼ぶ声だけが聞こえる。 いつの間にか、 意識が飛んでいた。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加