45人が本棚に入れています
本棚に追加
「え…?」
七海は、いつか見た決意の目を俺に向けてきている。
「にぃには…わたしがまもる」
思いもよらぬ発言だった。
だが、俺はそれを認める訳にはいかない。
「だめだ」
「え…?」
「俺は大丈夫だから」
「だめ…。にぃにのことスキだから…わたしは…にぃにをまもるの…」
七海は涙を堪えていた。
もう、七海に負担をかけたくなかった。毎晩のように殴る蹴るされて、服の下はどれだけアザやらがあるか解らない。
見える腕や足だけでも、痛々しい傷がある。
「俺は痛みに耐えられる。七海はもうボロボロだろ…。それ以上傷増やしたら…俺は絶対喜ばない」
「にぃに…」
「俺に任せておけって、な!」
最初のコメントを投稿しよう!