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「あ、ぁ…」
休む連絡してないくせに、今更のこのこやってきたから、何か言われるのではと心配なのだろう。俺がこのぐらいの歳に一回経験しているから解る。
「七海、行くぞ」
俺が手を握り、引く。
俺だって通っていた小学校だ。中の構造は解る。
「七海、担任の名前は？」
「ほんだ…せんせい」
「本田か。解った」
とりあえず事務室で話を通し、出来れば本田とやらを呼ぶ。
「すいませーん」
俺が窓越しにそう言うと、「はーい」という声の後に窓が開いた。
「どちら様でしょうか？」
「３年２組、井川七海の兄です。担任の本田先生に話があり、来ました」
「あ、はい。では只今呼びますので中でお待ち頂けますか？」
「はい──行くぞ、七海」
俺は七海の手を引いて、事務室の中へ入った。
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