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先生は続ける。
「普段学校では無口な井川さんから、真剣に話をされたものですから…ひとまず親御さんに連絡をとりまして」
「で、親は何と?」
「お父さんからは、一々関わらなくていい、と…」
「は…?」
「え、ええ…」
「だから、いじめに関してはもう関わらなくなった…ですか?」
「…そうです」
俺は、テーブルを叩いた。
「あんたそれでも先生ですか?いじめを受けている生徒がいても、親から関わるなと言われればその通りにするんですか?」
「申し訳ありません…」
「父の言葉は信用しないで下さい。それよりも、七海のいじめをなくしてあげて下さい」
先生は下を向いていたが、その俺の言葉を聞いて
「はい、分かりました」
と力強く頷いた。
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