Act.5 -ユメ-

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「お兄ちゃん」 七海のような、違うような、そんな声が唐突に聞こえた。 「お兄ちゃん」 いや、……“いた”。 ロングヘアーで白いワンピースを着たその人は、身長こそ違えども顔は七海だった。 それが、俺の前に現れた。 「お兄ちゃん、ごめんね」 「私が、お兄ちゃんのそばにいていれば、こんな事にならなかったのに…」 「は…?」 「お兄ちゃんは私を守ってくれたのに、私は全然お兄ちゃんを守れなかった」 「そんなことないだろ…?」 「ううん…。あの日、私は父に、お兄ちゃんの元へ行ったらお兄ちゃんを殺すと言った…。だから行けなかった…。けど私は行くべきだった…!」
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