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バシャバシャバシャ!!
女の頭上から水が降ってきた。
「うわぁぁああ!」
彼氏の顔は何故か青くなり、急いで立ち上がって、転びそうになりながらその場から逃げていく。
女はそれを悲しそうに見つめたあと、安堵の表情を浮かべ、びしょ濡れになったスカートをしぼっていた。
(よかった…)
「何が『よかった』の?」
「へ?」
「あっ…」
昴は無意識に窓を開け、びしょ濡れになった彼女に声を掛けていた。
彼女はいきなり声を掛けられてこっちを見ながら固まってしまってる。
「いやー、覗く気なかったんだけどね。ごめんなさい」
誤魔化すように微笑みながら言う。
「いえ…」
昴の微笑みにつられたのか、彼女もはにかみながら下を向いた。
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