プロローグ

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「よかったら、こっちに来てお茶でもいかが?」 「えっ、そんな…」 彼女のスカートを絞る手の力が強くなる。 「いいのよ。そのまま帰ったら風邪を引くわ。そっちの方が大変よ」 「したら……言葉に甘えて」 そう言って彼女は少し照れたような顔で昴を見た。 「ここ生徒会室なの。だから生徒会室に来てくれるかしら?」 「はい」 彼女はお辞儀をしてから玄関へと向かって行った。 それを見送った昴は、窓を閉め、コップを机に置いた。 危なかったわ。こんな事でボロを出す訳にはいかないのに…
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