2人が本棚に入れています
本棚に追加
玄関に行くと、彼はもう靴を履いていた。春奈を待っているようだった。
春奈は鞄を靴箱の一番上に鞄を置いて、早々とローファを履き彼の隣へ行った。
「こっち」
そう言って自転車置き場を抜けて、グランドの人気の少ない花壇のところに連れて来られた。
外の方が話聞こえると思うんだけどなぁ。
そんな事を思いながら、彼を見る。
「あ、あのさっ」
「うん?」
彼は少しそわそわしていたが、急に春奈を見て、
「別れて欲しいんだ」
あーやっぱり…
「どうして?」
春奈は少し冷たく言った。
動揺なんてしてない。わかってたもん。
「それはっ……」
「私、知ってたよ。別れようって言われるの。だって――」
最初のコメントを投稿しよう!