第1章

3/18
前へ
/23ページ
次へ
玄関に行くと、彼はもう靴を履いていた。春奈を待っているようだった。 春奈は鞄を靴箱の一番上に鞄を置いて、早々とローファを履き彼の隣へ行った。 「こっち」 そう言って自転車置き場を抜けて、グランドの人気の少ない花壇のところに連れて来られた。 外の方が話聞こえると思うんだけどなぁ。 そんな事を思いながら、彼を見る。 「あ、あのさっ」 「うん?」 彼は少しそわそわしていたが、急に春奈を見て、 「別れて欲しいんだ」 あーやっぱり… 「どうして?」 春奈は少し冷たく言った。 動揺なんてしてない。わかってたもん。 「それはっ……」 「私、知ってたよ。別れようって言われるの。だって――」
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加