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「これも違う」
「これもイマイチ」
「ダサい」
「どれも気に入らない」
朝。
用意された衣装に
文句をつけているのは、イーヴィルだ。
小柄な身長。顎まで伸びた真っ黒な髪。紫色の瞳。
どこから見ても美少女と言える容姿。
ただ一つ、性格に難あり。
「僕は、黒か白が好きなんだ。それに、リヴみたいに動きにくそうなドレスは嫌い。」
用意された衣装をハサミで切り刻みながら、自分の執事を見る。
「どうせ、どこかのエロ伯爵が送ってきたんでしょ?
こんな悪趣味な服…僕が着るわけないのにね♪」
口元だけで笑いながら、
次々に服を切り刻んでいく。
彼女の普段の服装は
シンプルで動きやすい服。
今、着ている服も上は首元と袖がレースになった白のシャツ。下は黒のヒラヒラしたスカート。そしてニーハイ。
「あ~ぁ。早く、この洋服達みたいに、罪人をボロボロにしたいな~♪」
こんなことを、サラっと言ってのけるのがイーヴィル。
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