53人が本棚に入れています
本棚に追加
「リヴ様、洋服をいくつか用意いたしました。」
「ありがとう」
ロアはリヴの執事。
冷静沈着で多くは喋らない。
飼い犬は飼い主に似るとは、まさに双子と執事達の関係を表していた。
「今日は、これを着るわ」
「かしこまりました。お食事の後に着替えられるよう、準備しておきます。」
「えぇ。いつもありがとう」
お礼を言ったリヴに一礼し、顔を上げるロア。
右目は真っ黒な前髪によって隠れていて見えないが、左目は髪と同じ真っ黒な瞳。
ネクタイをきちんと締め、スーツを綺麗に着こなしている。
「今日は罪人は現れると思いますか?」
リヴの洋服を準備していると、アダムが話し掛けてきた。
「きっと、現れるでしょう。
この街は狂ってしまっているのだから」
最初のコメントを投稿しよう!