沖田総司

5/9
前へ
/29ページ
次へ
薬を飲ませた後、彼女を布団に横たえ 彼女を拾ってきた張本人へ 説明を求める 土方さんが言うには 散歩していると、足に纏わりつくように 黒猫…‥遮那旺が現れ 着いて来いと言うように、振り返りながら 先を歩き 壬生寺の境内に倒れていた、彼女を発見したとか…‥ 薬を飲ませた事に満足したのか 土方さんは、書き物があると言って 出て行ってしまった ――――……‥‥ ――……‥ 時折、傷が痛むのか 息が荒くなっていた彼女 手拭いを濡らし額の汗を拭ってやれば 寝息も穏やかになっていった 夜通し、寝顔を見つめていた自分に驚き 外から朝日が舞い込んできた頃には 自然と彼女の手を取り、握り返してくる手を見て 胸の辺りがポカポカと暖かくなっていた .
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

252人が本棚に入れています
本棚に追加