プロローグ

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暗く茂った森を、空から月の光が照らす。この森は、普段なら、静かな所だ。 そう、普段なら。 男が、その森を歩いている。 その男は若く、それでいてどこか厳格な雰囲気を漂わせていた。 男は何故森にいるかというと、いつもなら静かな森に誰かが侵入し、しかも魔術を行使したからだ。 この森は、強力な魔物が住み着く危険な所にあり、誰も近寄らない。 つまり、何らかの目的で来ているのは明らかだ。 しばらく進むと、男が二人。 そのあたりには、焦げ痕や何かによって付けられた切り傷。――魔術の痕跡だ。
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