12人が本棚に入れています
本棚に追加
男たちの炎は押し返され、さらには男たちもその余波に煽られ、吹っ飛ばされた。
男たちはそれぞれ木にぶつかり、それは意識を失いそうになるほどの勢いだった。
「何の目的で来た?」
問いかけながら近づく俺から逃げようともがく。だが、出来ない。
「っ?!」
「風に斬撃を混ぜといた。その怪我ではどこにもいけない」
男たちには体中に大小の幾つもの傷があった。
それは男たちが着ているダメージを軽減する装備の上からつけられたもので、斬撃がかなりの威力だということがわかる。
「何の目的で来た?」
そう言いながら男たちとの距離をゆっくりと詰めていく。
「くっ・・・・・・!」
そして、風の男が予想外の行動に出た。風にきらきらと光る何かを混ぜ、俺に向かって飛ばしてきたのだ。
炎の男はその意図に気づき、小さな火花を飛ばした。
その瞬間、大爆発が起きた。
鼓膜が破れるのではないかと思うほどの音と、太陽よりも強い光がまき散らされる。
なるほど、金属の粉末を撒きそれらを空中で燃焼させるか・・・・・・。いいコンビネーションだ。
そう冷静に考え男たちの方を見ると、そこには誰の姿もなかった。
逃げられたか。だが、心配する事もあるまい。
何故なら――
最初のコメントを投稿しよう!