師匠の言伝

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部屋にはいると、目に入ったのが机だった。 他には幾つかの家具と、ガラクタの様な物がいくつか。 その机の引き出しの一つが壊れたようだ。その中には、大事そうに入れられたかなり高価な紙が使われた手紙があった。 普段の質素な生活をしていた師匠からは考えられなかった。 その手紙を見た。それは、師匠の文字だった。 「そんなに、大事な内容なのか?」 そう言うと、その手紙を読み始めた。 『我が弟子、アルス・ブラッドへ この鍵は、お前が一五になったら壊れるような魔術を施しておいた。 これを読んでいるということは、お前はもう学園に通える歳になったということだ。 今まで、この森での修行ご苦労だった。 だが、この世界にはいろんな人たちがいる。その戦い方は千差万別だ。 学園に行けば、いろんな経験を積めるだろう。だから、お前には行って欲しいと思っている。 俺も用事で、しばらくこの家を空けようと思う。 この手紙の下に、入学の書類がある。学園に行き、教師に見せればいい。 最後に、もし通うとすればお前は都会に行くことになる。 くれぐれも、気をつけて行くように』
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