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開いたドアから数人の男達が入り込んで来た…
(怖っ!?…やくざか?)
…とまでは思わなかったがかなりイカツイ風貌の男達…なんとなく関わりあいになりたくない気がした俺は、前に座っているクラスメイトにチラッと目配せをし窓の外へと視線を移した。
しばらくして
『やぁ』
と声を掛けられた。
気が付けば…
机のまわりは3人の2年生と思しき男達に囲まれていた。
(ん?なんだなんだ?)
微かな戸惑いと焦りを感じつつ
(ここで弱みを見せたらやられる)
などと訳の分からない事を考えていた…
『やぁ君だよ。窓際のっ』
「はい?」
我ながら間の抜けた返事だった…
『君、イイ体格してるねぇっ』
「はぁ…」
『君さぁ入る部活とかはもぉ決めたのかなぁ』
そう言いながら一人の先輩が俺の肩に手を掛けた。
(やばいっやばいぞっ)戸惑いは静かな焦りへと変わっていく…
『俺たちラグビー部なんだけどさぁ…君のその体格をラグビーに活かさないかい?』
『君ならヒーローになれるっ』
かるくキャチコピーの様な文句を騙りながら残る2人が両サイドを固める。
(いかんっ囲まれたっ)
静かな焦りは確実な恐怖へ…
(誰かっ)
『いやーウチも人不足でさぁ』
(助けてくれぇっ)
こうして俺はラグビー部の部室へと拉致されたわけである…
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