57人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふっふっふ。相変わらずだね、村正♪」
短髪で整った顔立ち。
ヤンチャな笑顔を形成するその無邪気な顔の持ち主は
―――――――――――――――
《軽音部部長》
《村正のクラスメイト》
芹河 有佐(せりかわ ありさ)
―――――――――――――――
「オマエ、部員のしつけが成ってねえんじゃねえか?」
「それは心外だねー。アンタと対等にヤりあった単なる《軽音部》だよ?むしろ表彰されてもイイくらいだよ」
「“遣”をカタカナ表記にするな気持ち悪い。第一、俺と対等になんか遣り合ってねえだろ。一瞬で片してやったぜ」
「そんなに弱かったかな?」
「弱い。弱いね。弱すぎだね」
村正は、呆れたように頭を掻く。
本気で失望しているようだ。
彼女と村正は結構な腐れ縁で、有佐の面倒見の良さは分かっている。
故に彼女が長を担う《軽音部》には少々期待していた。
まあ所詮は《軽音部》なのだ。
格闘を得意とする村正と対等に戦うことなんてほぼ不可能だ。
最初のコメントを投稿しよう!