vs美術部

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“癇癪玉”と、“ロケット花火”の火力で、周りの黄色い空間が燃え、元あった『美術室』の色などが浮かびあがる。 薄い、木造の茶色い色。 「うわ!これって紙なの!?」 快華は気づく。 周りの黄色い空間は、元あった机や棚、窓や壁や天井や床に直接ペンキを塗ったのではなく、真っ黄色な畳一畳ほどの大きさの紙を、『美術室』中の壁や床にビッシリ貼っただけだった。 「こんなんじゃ、火事になっちゃうじゃん!」 「だからちょっと待ってって言ったじゃないですか!」 背後の、元に戻った壁に焦げ跡が付き、そして、快華の斜め前方の未だに生きている黄色い壁のほうから眩い閃光が一瞬だけ放たれたのを、快華は見逃さなかった。 「見・つ・け・た!!」 快華は、“癇癪玉”をもう一握り巾着袋から出し、光の方向へ思い切り叩きつけるように投げる。 バンッ!パパンパンパパン!! と、前方の黄色い紙も燃えるように崩れる。 その紙に隠れるように、少女は立っていた。 ――――――――――――――― 《美術部部長》 下沼 海利(さげぬま かいり) ――――――――――――――― 「アナタね。《美術部》の部長は!」 快華の言葉に、海利は少し顔をしかめる。 焦っている。表情で分かった。 と、その時。 『美術室』の扉がガラガラと開かれた。  
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