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瞬間、快華は巾着袋から手を引き抜き、小さな黒い玉を、その場に叩きつける。
パンッ!!という小規模な爆発の後、その小さな黒い玉は破裂し、そこから透明度が極めて低い煙がモクモクと立ち込めた。
そして、快華は事前に確認していた出入り口へ全速力で走る。
『美術室』から出て、扉を閉める。
中から、いくつもバシャッ!!バシャッ!という、大量の液体が床を打つ音や、シュインッ!!シュインッ!!と、“ビーム”が連続して放たれる音が聞こえた。
「シッシッシ。大成功!アイツら、アタシがまだ中にいると思ってるな♪」
快華は、『美術室』の扉にへばりついて、中の様子を確認する。
その間にも、廊下の様々な方位から騒音や爆音が聞こえた。
他の皆は他のところで戦っているのだ。
「そろそろいっかな」
快華は、『美術室』の中が静かになったことを確認し、扉を思い切り開く。
極めて透明度の低い煙が、扉を開けて換気された事によって、モクモクと廊下に流れ出る。
快華は顔の前で手をブンブンして煙を避ける。
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