vs美術部

9/11
前へ
/125ページ
次へ
瞬間、快華は巾着袋から手を引き抜き、小さな黒い玉を、その場に叩きつける。 パンッ!!という小規模な爆発の後、その小さな黒い玉は破裂し、そこから透明度が極めて低い煙がモクモクと立ち込めた。 そして、快華は事前に確認していた出入り口へ全速力で走る。 『美術室』から出て、扉を閉める。 中から、いくつもバシャッ!!バシャッ!という、大量の液体が床を打つ音や、シュインッ!!シュインッ!!と、“ビーム”が連続して放たれる音が聞こえた。 「シッシッシ。大成功!アイツら、アタシがまだ中にいると思ってるな♪」 快華は、『美術室』の扉にへばりついて、中の様子を確認する。 その間にも、廊下の様々な方位から騒音や爆音が聞こえた。 他の皆は他のところで戦っているのだ。 「そろそろいっかな」 快華は、『美術室』の中が静かになったことを確認し、扉を思い切り開く。 極めて透明度の低い煙が、扉を開けて換気された事によって、モクモクと廊下に流れ出る。 快華は顔の前で手をブンブンして煙を避ける。  
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加