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「今日、皆さんに集まっていただいた理由は、毎年行われる『部活動紹介』や『部活動対抗リレー』などとは例外的なものです」
生徒会長は、淡々と部長会を進めていく。
「今回、議題に挙げられているのは、『部活の過度な増加』についてです」
その一言で、会議室が少しザワめきだした。
「うるせェなァ。ちったァ静かに出来ねェのかい」
男口調で発せられた声だが、声の主は正真正銘の女だ。
それは、眼鏡をかけたサラサラヘアーの生徒会長の隣に座る、副生徒会長だった。
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《生徒会副会長》
《剣道部部長》
鴨川 愛美(かもがわ まなみ)。
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今の様子から分かるように、とても厳しく、『鬼の副会長』とか『女土方』の異名を持つ。
しかし見た目は高校生にしては幼く、平均身長に全然満ちていない。
腰辺りまである長い髪を、後頭部で二束に分けて結んでいる。
傍から見ればただの可愛い女の子だ。
彼女は三年生で、生徒会副会長の役職の他、剣道部の部長も勤めている。
剣道部は、部長の鴨川を始め、副部長の二階堂 玄太(にかいどう げんた)も剣道に長けていて、剣道部は全国大会で優勝するほどの実力を誇る。
鬼の副会長の一言で、99人の部長がいっせいに黙り込んだ。
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