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最神近はいったん床にダンボールを置いて、目の前の鉄製の扉に手をかけ、開く。
そこは、《御才能育成部》、通称の部室だ。
かつて何かの準備室だった個室を改装して使っている。
《才成部》の部員は合計4人。
「なんだ部長。うかない顔して」
言ったのは、部室の真ん中を区切るように置かれている長テーブルに両足を置いている、行儀の悪い男子生徒
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《元・忍術部所属》
岡本 村正(おかもと むらまさ)
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だ。
肩まである髪型だが、前髪まで切っていないのか、片目が前髪で隠れている。
「シシシ。どーせまた部長会で大変な仕事押し付けられたんでしょー」
言ったのは、部室の奥に取り付けられたハンモックで寝転がっている小柄な少女
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《花火職人の娘》
三原 快華(みつはら かいか)
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だ。
彼女は髪をツインテールに結び、二カッと最神近をからかうような笑みを浮かべ、ハンモックでブラブラする。
彼女の父親は、花火職人で、彼女もそれなりの火薬の扱いなどに長けている。
何度も校内でイタズラを繰り返し、一時期は退学問題にまで発展した生粋の悪戯娘だ。
そのせいか、火薬のイタズラの他にも落とし穴やブービートラップなども覚えてしまった。
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