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かつて、ギルヌ人達が創った王国は、初めは大陸西部北海岸にある町、マーリャスを中心に興った都市国家であった。
その中心にあって、周囲の土地を制圧し、大陸の西半分を平定したのがギル・ドルディラックという勇士、後にギルニア王国を興して初代皇王となる男である。
彼は皇王になると同時に、税制や律令、暦を制定したという。
現在、この世界で使われる大歴は、この王国が興った年を元年として数えたものである。
彼の死後も、その子孫が代々皇王となり、平和に国を治めてきた。
しかし、四十代目のカノア王の時代、王国に記録的寒波が襲い、食糧難に陥った。
その内、王国北部に住むモルグ人やフラン人らが反乱を起こし、更に大陸北海岸と海を挟んで向かいにあるポール島から多数のポール人が本土に大移動を始める事となり、遂にギルヌ王国は南北に分裂する事となった。
大歴1205年、五十五代ライオネック王の時代である。
その直後に北ギルヌ王国は崩壊、南ギルヌ王国も皇王の権威が薄れ、遂に大歴1456年、第七十三代目ミネオス王の時代にギルヌ諸部族の大反乱により、ギルヌ王国は崩壊した。
その後は、しばらく王不在の時代が続いたが、大歴1590年、ポール人らを中心としてクリスティア議会が成立、以降はその各兵団によって支配されている。
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